伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)とは?

伝染性紅斑について解説しております。

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伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)とは?
〜皮膚の病気〜

皮膚(表皮、真皮、皮下組織)、皮膚付属器(毛包、脂腺、アポクリン腺、エクリン腺、爪)

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伝染性紅斑とは?
 伝染性紅斑とは、ヒトパルボウイルスB19の感染により引き起こされる感染症で、顔面(頬)に蝶形の紅斑あるいは平手打ちされたあとのような紅斑が生じ、成人にも感染することがありますが、多くは小児にみられます。
発病すると、頬がりんごのように赤くなるので、りんご病ともいわれます。
両側の頬が発赤した後1〜4日で体幹部や四肢にも紅斑があらわれます。
この紅斑はある程度まで大きくなると、中央から退色して、網目状あるいはレース状の発疹となります。
この伝染性紅斑の多くは、ウイルスの経気道感染により起こるものといわれています。

【原 因】
パルボウイルスB19は、感染した人の唾液、痰、鼻水(呼吸器系の分泌物)などに、発疹が出る前にみられます。
特に、
感染した人の分泌物(唾液、痰、鼻水)と直接接触した場合
感染した人の咳からの飛沫を吸い込んだ場合
感染した人が飲食している容器をそのまま使った場合
感染した人と同じ道具を使った場合
などにより、自分の口や鼻の粘膜にウイルスが移り感染します。

【症 状】
潜伏期は明らかではありませんが、通常10〜14日とされています。
この潜伏期間中にウイルス血症となります。
ウイルス血症とは、ウイルスが血流に入り込み、全身へと移動する状態のもの。
小児では、前ぶれといったものはあまりみられませんが、成人では、発熱、頭痛、悪寒、倦怠感、筋肉痛などの全身症状をともなうことがあります。
ヒトパルボウイルスB19は不顕性感染も多いのですが、初感染時に伝染性紅斑を起こし、その後終生免疫が得られるものと考えられています。
不顕性感染(ふけんせいかんせん)とは、病原体が体内に入り、感染しているが症状があらわれない状態(無症状)をいいます。
やがて、血液中のウイルスは消失しますが、約一週間の無症状の期間を経て、発疹があらわれます。

伝染性紅斑でみられる発疹は、次のような経過をたどります。
@ 突然、蝶形あるいは平手打ちされたあとのような紅斑が、両頬にあらわれます。
A そのあと、体幹や四肢にも紅斑があらわれます。
B 紅斑はしだいに融合し、ある程度大きくなると、レース状あるいは網目状の発疹となります。
C 通常、発疹は7〜10日で消えます。
D 一度消退した発疹は、入浴、日光、機械的刺激などで、再燃することもあります。
なお、発疹は色素沈着を残さずに消えます。
小児では、発熱などはほとんどみられず、発疹だけがあらわれて、治癒していくことが多いようです。
成人では関節痛や関節炎、筋肉痛などの症状をともなうことがありますが、発疹はみられずに関節痛だけということもあります。

【診 断】
特異的な発疹で、伝染性紅斑の診断はつきます。
但し、関節炎をともなう場合は、膠原病あるいは膠原病類縁疾患との鑑別が必要になります。

【治 療】
特に伝染性紅斑の治療は行われません。
但し、関節症状が強い場合は、鎮痛剤が必要になることがあります。

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