ハンセン病(はんせんびょう)とは?

ハンセン病について解説しております。

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 皮膚と皮膚付属器の病気ナビでは、皮膚と皮膚付属器の病気ナビでは、表皮、真皮、皮下組織の三層から構成された皮膚の仕組みと働きや、皮膚付属器(毛包、脂腺、アポクリン腺、エクリン腺、爪)の仕組みと働きについてそれぞれ解説しております。また、皮膚の病気や皮膚付属器の病気についても、その概要や原因、症状、治療などを中心に、要点を整理してまとめております。


ハンセン病(はんせんびょう)とは?
〜皮膚の病気〜

皮膚(表皮、真皮、皮下組織)、皮膚付属器(毛包、脂腺、アポクリン腺、エクリン腺、爪)

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ハンセン病とは?
 ハンセン病とは、らい菌によって引き起こされる全身の慢性感染症で、皮膚の創傷部などから、感染者の膿汁、鼻汁などの中にいる病原体が侵入して感染しますが、現在の医学において、適切な治療を行いさえすれば、感染しても発症することはありません。
もちろん、重篤な後遺症を残すことも、自らが感染源になることもありません。
遺伝もしません。
ハンセン病という病名は、1873年にらい菌を発見したノルウェーのアルマウェル・ハンセンという人の名前からつけられています。
昔は「らい病」あるいは「ハンセン氏病」ともよばれていました。
皮膚の創傷部からの感染以外に、経鼻、経気道感染もあります。
感染は幼少時期(家族内感染など)が大部分を占め、大人から大人へ感染して発病することはほとんどまれです。
らい菌の潜伏期間は、3〜5年とされていますが、10年あるいは数十年におよぶ例もあります。
らい菌の伝染力は非常に弱いため、ハンセン病患者と接触したからといって高頻度に感染するというわけではありません。
ハンセン病治療薬のリファンピシンで治療されている人は、感染源にはなりません。

【症 状】
ハンセン病にみられる症状は、主に皮膚症状と末梢神経障害です。
ハンセン病に特徴的な発疹はあらわれませんが、かゆみをともなわない紅斑や丘疹、結節、色素脱色、脱毛などがみられます。
皮疹にほぼ一致して、痛い、熱い、冷たいなどの感覚が鈍くなり、刺激を受けても感じなくなります。
また、皮膚の表面にある末梢神経が太く肥厚し、神経障害(知覚障害)も起こります。
運動障害をともなうこともあります。
らい菌が好む温度は30〜33度なので、温度の高い腎臓や肝臓、脾臓などの臓器には病変が起こりません。

【診 断】
ハンセン病の診断には、皮膚スメア検査や末梢知覚検査が行われます。
皮膚スメア検査は、皮膚を切開して行う検査で、菌数を調べます。
末梢知覚検査は、ハンセン病を診断する上で重要な検査で、針を刺す痛覚検査や、温水、冷水に対する温冷覚検査が行われます。
また、らい菌抗体の検出、レプロミンテスト、らい菌に対する薬剤耐性検査なども行われることがあります。
なお、WHOでは、診断確定のために、知覚障害をともなう皮疹、知覚障害をともなう末梢神経の肥厚、スメア検査(陽性反応)のうち、一つ以上が認められることとなっています。
日本では、知覚障害にともなう皮疹、末梢神経の肥厚、運動障害、病理組織検査、らい菌の検出の4点が重視されています。
ハンセン病の早期診断、早期治療を適切に行えば、重篤な合併症状に至ることはまずありません。

【治 療】
ハンセン病の治療では、ジアフェニルスルホン、クロファジミン、リファンピシンの3種類を併用する多剤併用療法が行われます。
WHOで提供されている治療薬は、ブリスターパックというパックになっています。
但し、日本では販売されていません。
また、急性の神経炎に対してはステロイドの投与、脱毛や変形、眼瞼下垂などには形成外科による手術療法なども行われます。

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