魚鱗癬(ぎょりんせん)とは?

魚鱗癬について解説しております。

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 皮膚と皮膚付属器の病気ナビでは、皮膚と皮膚付属器の病気ナビでは、表皮、真皮、皮下組織の三層から構成された皮膚の仕組みと働きや、皮膚付属器(毛包、脂腺、アポクリン腺、エクリン腺、爪)の仕組みと働きについてそれぞれ解説しております。また、皮膚の病気や皮膚付属器の病気についても、その概要や原因、症状、治療などを中心に、要点を整理してまとめております。


魚鱗癬(ぎょりんせん)とは?
〜皮膚の病気〜

皮膚(表皮、真皮、皮下組織)、皮膚付属器(毛包、脂腺、アポクリン腺、エクリン腺、爪)

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魚鱗癬とは?
 魚鱗癬とは、皮膚が乾燥して表面が硬くなり、魚の鱗(うろこ)状の割れ目ができる病気で、皮膚の表面にある角質の形成障害が原因と考えられています。
今のところ、根本的な治療法はまだみつかっていません。
魚鱗癬という病名は、皮膚の硬くなった部分が、魚の鱗状にもみえることからつけられています。
魚鱗癬にみられる水疱型と非水疱型は、国の小児慢性特定疾患研究事業に認定されています。
皮膚の表面は角質層で覆われています。
ふつう、この角質層は一定のサイクルで自然にはがれ落ちるようになっていますが、魚鱗癬の場合は、角質層がはがれ落ちずにとどまるため、ざらざらした鱗状の皮膚になるといわれています。
魚鱗癬が伝染するということは全くありません。
この魚鱗癬には、遺伝性の先天性魚鱗癬と後天性魚鱗癬があり、このうち先天性魚鱗癬には、尋常性魚鱗癬、伴性遺伝性尋常性魚鱗癬、水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症、葉状魚鱗癬があります。
尋常性魚鱗癬
(じんじょうせいぎょりんせん)
尋常性魚鱗癬は、乳幼児期になってから発症するもので、特に、手足の伸びる側の皮膚に、ざらざらと乾燥した状態で、魚の鱗状の割れ目ができます。
生まれたときには症状はみられません。
肘窩(肘の内側にある少しくぼんだ部分)や膝窩(膝の内側のくぼんだ部分)、外陰部には発疹はみられません。
皮膚の症状は、ふつう、夏場に軽快しますが、冬場は悪化します。
ただ、汗をかくことが少ないため、体温調節が難しくなり、夏場には熱中症を引き起こしやすくなります。
冬場は、皮膚の亀裂による歩行障害を起こすことがあります。
アトピー性皮膚炎を合併することがあります。
なお、尋常性魚鱗癬の治療には、サリチル酸ワセリンや尿素軟膏の外用、ビタミンA誘導体の内服などが行われます。
成人になると自然軽快することもあります。

伴性遺伝性尋常性魚鱗癬
(はんせいいでんせいじんじょうせいぎょりんせん)
伴性遺伝性尋常性魚鱗癬は、男の子にみられるもので、生まれたときには症状はみられず、乳幼児期になってから発症します。
なお、この伴性遺伝性尋常性魚鱗癬では、手足の関節の内側や膝の内側のくぼんだ部分にも病変があらわれることがあります。

水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症
(すいほうがたせんてんせいぎょりんせんようこうひしょう)
水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症では、全身が赤くなり、皮膚に厚い鱗状の割れ目があらわれます。
また、硬くごわごわした水疱(すいほう → 水ぶくれ)もできます。

非水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症
(ひすいほうがたせんてんせいぎょりんせんようこうひしょう)
非水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症では、全身が赤くなり、皮膚に鱗状の割れ目ができるといった症状はあらわれますが、水疱はともないません。

葉状魚鱗癬
(ようじょうぎょりんせん)
葉状魚鱗癬は、生まれたときより発症するもので、皮膚が菱形状にめくれています。

後天性魚鱗癬
(こうてんせいぎょりんせん)
後天性魚鱗癬は、遺伝性のものではなく、栄養障害(ビタミン欠乏症など)や悪性腫瘍(悪性リンパ腫などの)、甲状腺機能低下がみられる人、あるいは、透析患者などに起こることがあります。

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