乾癬(かんせん)とは?

乾癬について解説しております。

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 皮膚と皮膚付属器の病気ナビでは、皮膚と皮膚付属器の病気ナビでは、表皮、真皮、皮下組織の三層から構成された皮膚の仕組みと働きや、皮膚付属器(毛包、脂腺、アポクリン腺、エクリン腺、爪)の仕組みと働きについてそれぞれ解説しております。また、皮膚の病気や皮膚付属器の病気についても、その概要や原因、症状、治療などを中心に、要点を整理してまとめております。


乾癬(かんせん)とは?
〜皮膚の病気〜

皮膚(表皮、真皮、皮下組織)、皮膚付属器(毛包、脂腺、アポクリン腺、エクリン腺、爪)

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乾癬とは?
 乾癬(尋常性乾癬)とは、皮膚に境界がはっきりした赤い発疹(紅斑)とその表面に銀白色の鱗屑(りんせつ → ふけ状の皮膚片)があらわれるというもので、病変部は、皮膚面より少し盛り上がっていて、その大きさもさまざまです。
また、全身のどこにでも(眼球と口唇以外)あらわれますが、特に、外部からの刺激の強い頭や肘、膝などでよくみられます。
乾癬は、伝染することはありません。
また、命にかかわることもない病気です。
爪にできる爪乾癬(つめかんせん)では、爪の表面が荒れて、凹凸ができたり、点状のくぼみがみられることがあります。
乾癬には、尋常性乾癬のほかに、関節症性乾癬(かんせつしょうせいかんせん)、膿疱性乾癬(のうほうせいかんせん)、滴状乾癬(てきじょうかんせん)などとよばれるものもあります。
関節症性乾癬、膿疱性乾癬、滴状乾癬について

【原 因】
乾癬の病巣では、表皮細胞の増殖のコントロールに乱れが生じることにより、正常な皮膚の細胞に比べて、その表皮をつくる速さがとても速くなり、その結果、表皮の角化がどんどん進んで、乾癬特有の病変(白いかさぶた状の発疹)があらわれると考えられています。
但し、根本的な原因については、いろんな説があるものの、未だはっきりしていませんが、有力な説として、免疫異常(自己免疫反応)が大きくかかわっているのではないかといわれています。

【症 状】
乾癬(尋常性乾癬)の症状としては、まず、頭や肘、膝などに銀白色の厚い(皮膚の表面より少し盛り上がった)鱗屑がついた紅斑ができます。
そして、この発疹は、しだいに全身に広がっていきます。
引っかいたり、擦ったりすると、そこに新たな発疹ができます。

【診 断】
乾癬(尋常性乾癬)の診断では、頭、肘、膝に、特徴的な銀白色の鱗屑をつけた紅斑がみられるかどうかがポイントになります。

【治 療】
乾癬(尋常性乾癬)は、生命にかかわるような病気ではありませんが、慢性的に経過することが多く、根気よく治療を続ける必要があります。
現在、多く用いられている治療には、次のようなものがあります。
ステロイド外用薬(副腎皮質ホルモン剤)の使用、ビタミンD3誘導体外用薬の使用。
ステロイド外用薬の使用には、症状の重いときは強力なものを短期間使い、よくなるにしたがって、弱いものに替える必要があります。
ステロイド外用薬を使用したときの欠点は、使用を中止したときの再発が早いこと、皮膚が萎縮して血管が透けてみえたり、毛細血管が広がって皮膚が赤くみえたりします。
また、毛が濃くなったり、にきびができたり、夏場に、真菌(カビ)などが繁殖しやすくなります。
ソラレンを内服(あるいは患部に塗布)後、紫外線を照射する光線療法。
この光線療法で、細胞の増殖をおさえることができます。
但し、効果を急ぐあまり照射し過ぎると、強いサンバーン(皮膚が炎症を起こして赤くなる)状態となり、水ぶくれができます。
そのため、少しずつ照射時間を延ばしていく必要があります。
なお、長期間の治療で、皮膚が黒くなりますが、これは中止すると薄くなります。
ビタミンA誘導体や免疫抑制剤などの内服。
ビタミンA誘導体は、内服するだけで症状がおさまるため、手間がかからない反面、異常児出産の危険性が増えるといった副作用があらわれます。
また、鼻や口腔内の乾燥感、脱毛なども起こることがあります。
生物学的製剤の注射または点滴。
これらの治療を、症状や生活様式に合わせて、単独で用いたり、組み合わせて行います。

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