単純疱疹(ヘルペス) (たんじゅんほうしん(へるぺす))とは?

単純疱疹(ヘルペス)について解説しております。

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単純疱疹(ヘルペス)とは?

 皮膚と皮膚付属器の病気ナビでは、皮膚と皮膚付属器の病気ナビでは、表皮、真皮、皮下組織の三層から構成された皮膚の仕組みと働きや、皮膚付属器(毛包、脂腺、アポクリン腺、エクリン腺、爪)の仕組みと働きについてそれぞれ解説しております。また、皮膚の病気や皮膚付属器の病気についても、その概要や原因、症状、治療などを中心に、要点を整理してまとめております。


単純疱疹(ヘルペス)
(たんじゅんほうしん(へるぺす))とは?
〜皮膚の病気〜

皮膚(表皮、真皮、皮下組織)、皮膚付属器(毛包、脂腺、アポクリン腺、エクリン腺、爪)

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単純疱疹(ヘルペス)とは?
 単純疱疹とは、単純ヘルペスウイルスによって引き起こされる感染症で、皮膚粘膜に限局性に小水疱(しょうすいほう)があらわれます。
単純疱疹は、単純ヘルペス(たんじゅんへるぺす)ともいわれるもので、病型には次のようなものがあります。、
口唇にできる口唇ヘルペス、口腔内にできるヘルペス性歯肉口内炎
顔面にできる顔面ヘルペス(顔部の単純性ヘルペス)
手指などに単純疱疹が多発するヘルペス性ひょう疽
性行為感染症の一つ性器ヘルペス
アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患をともなうカポジ水痘様発疹症
単純疱疹では、顔(頬など)や手指など、口唇や陰部以外の部位でもその病変があらわれる可能性があります。

【原 因】
単純疱疹(ヘルペス)には、単純ヘルペスウイルスが免疫のない人に初めて感染する初感染と、神経節内に潜伏感染していたウイルスが再び増殖して発病する再発(回帰発症)のタイプがあります。
また、単純ヘルペスウイルスには、1型(HSV−1)と2型(HSV−2)があります。
1型は、主に口唇を中心として顔面に発症します。
口唇ヘルペス、ヘルペス口内炎、ヘルペス角膜炎、単純ヘルペス脳炎の原因になるとともに三叉神経節に潜伏感染します。
2型は、主に性器を中心に発症します。
性器ヘルペス、ヘルペス髄膜炎、ヘルペス脊髄炎、新生児ヘルペスの原因になるとともに仙髄の脊髄神経節に潜伏感染します。
しかし、 上記は厳密に区別できるものではありません。
例えば、一般的に1型(HSV−1)は性器ヘルペスを起こさないと思われていますが、実際は2型(HSV−2)と同様に原因となります。
1型は、水疱、びらん面、唾液などとの接触感染や飛沫感染、またはウイルスに汚染された手指や器具などから感染します。
2型は、1型に比べて再発しやすく、もっぱら性行為によって感染します。
風邪(発熱)、ストレス、疲労、老齢、性交、抗がん剤治療、放射線、日光(紫外線)などの刺激により、神経節内に潜伏していたウイルスが増殖して発病します。
また、ウイルス自体が弱いので、感染による症状があらわれても、からだの免疫機能による排除が行えないために症状が繰り返されます。
ちなみに、成人の約7割は、このウイルスに感染しているそうです。
接触感染(せっしょくかんせん)とは、手、口あるいは性器を介する直接接触によって人から人へ伝染するものをいう。

【症 状】
単純ヘルペスウイルスによる初感染では、多くの場合症状があらわれません(不顕性)が、症状がみられるケースでは一般に重い症状になることが多いようです。
不顕性感染(ふけんせいかんせん)とは、病原体が体内に入り、感染しているが症状があらわれない状態(無症状)。
一般的な症状では口唇や陰部などに小水疱、びらん、潰瘍などがあらわれます。
また、強い痛みをともなうこともあります。
一年に何度も発症を繰り返す人がいます。
また、ウイルスの頻繁な再発などで感染した部位を中心に、神経痛が後遺症として残ることがあります。
なお、単純疱疹の病型には、口唇ヘルペス(こうしんへるぺす)、ヘルペス性歯肉口内炎(へるぺすせいしにくこうないえん)、顔面ヘルペス(がんめんへるぺす)、ヘルペス性ひょう疽(へるぺすせいひょうそ)、性器ヘルペス(せいきへるぺす)、カポジ水痘様発疹症(かぽじすいとうようほっしんしょう)などがあり、それぞれの病型で症状が多少異なります。
口唇ヘルペス、ヘルペス性歯肉口内炎、顔面ヘルペス、ヘルペス性ひょう疽、性器ヘルペス、カポジ水痘様発疹症とは?

【診 断】
単純疱疹(ヘルペス)では、水疱液を抽出しギムザ染色を行い、ウイルス感染によって起こる細胞の変化(ウイルス性巨細胞)を検出するツァンク法、あるいはウイルス抗原の検出を行う蛍光抗体法、血清抗体の上昇によって診断する血液抗体検査などで診断を行います。
熱感をともない、口唇あるいは陰部などに小水疱がみられるようであれば、この疾患が疑われます。

【治 療】
単純疱疹(ヘルペス)では、抗ウイルス薬による外用あるいは内服による治療が効果的です。
抗ウイルス薬には、アシクロビル、ビダラビン、バラシクロビル、ファムシクロビルなどがあります。

初診に適した科 【皮膚科/小児科/婦人科/泌尿器科】


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